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サラリーマンの謎「残業」(3/5) ~上司の仕事~ [哲学]

 日本人は愚痴り場さえあれば、どんなに痛みつけられても復活する生き物なのだ。しかし、近くに愚痴り場のない環境においては、日本人はけっこう弱い。
 余談になるが、アニキが中国で働いていた時、日本人向けの医療サービスを利用していた。これは、言葉がわからない海外で急に病気になった時、電話1本で病院へ連れて行ってくれたり、そこで通訳してくれたりというサービスだ。アニキも何度か世話になったありがたいサービスだ。その医療サービスの営業マンと話していた時、彼が質問してきたことがある。「中国にいる日本人の死因で最も多い原因は何か?」と。この医療サービス会社の特徴は、海外現地で死んだ場合、仏さんを日本まで搬送してくれるというサービスもついているのだ。普通、仏さんを海外へ送ることは極めて困難な国が多い中、そんなありがたいサービスを展開していたから、そんな日本人の死因なんかのこともよく知っていた。で、日本人の死因の原因であるが、交通事故あたりではないかと思った。しかし答えは、「自殺」だ。中国駐在の日本人の死因では、自殺が圧倒的に多いのだ。自殺する人の特徴は、現地の会社で日本人がひとりしかいないといった環境の会社である。社長のみ日本人で、あとは中国人という構成だ。そんな企業はけっこう多い。中小企業なんかは、日本人をそんなに海外に派遣できないから、日本人一人というパターンは意外と多い。スタッフは言うこときかない。「早く業績上げろ!」と、日本からのプレッシャーもきつい。そんな会社は近くに憩いの場所となる居酒屋はないような田舎にある。しかも、他の日系企業が近所にないというシチュエーションだ。アニキは何が言いたいのかというと、日本人は一人では圧倒的に弱い民族だから、落ち着く場所がなければ、ストレスにより追い込まれやすいという証拠だ。そう、愚痴をこぼせないと人間は弱る。
 どこまで話したっけ?話が飛躍しすぎて、よくわからなくなった。おおそうだ、残業の話だった。要するに、日本人にとって残業は、残業代という見返りがなくても、愚痴り場さえあれば充分に働けるものなのだ。別に愚痴り場だけが癒やしではない。そのほかの見返りでもよい。例えば、上司からのねぎらいの言葉でもよいのだ。だれかの役に立ってる、若しくは誰かに期待されているという心理が人を動かす。仕事ができる上司はそこを巧みに使いこなし、部下を慰労するのだ。ほったらかしにするような上司は、マネジメントを全理解していない。前線の場においては、マネジメントの教科書なんかはなんの役にも立たない。いかに部下のケツを押せるか、又はいかに部下の鼻ににんじんをぶら下げられるかが大事なのだ。
 ただ気をつけなければならないのは、口先だけの上司じゃ、ねぎらいにはならない。だれでもマネしてうまくいくものではなく、常日頃から部下に背中を見せる行動で示す上司でなくてはならない。これを付け加えておく必要がある。
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