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アピーラー達の午後(9/14) ~アピーラーの特殊技能~ [哲学]

 話が逸れたから元に戻そう。要するに、アピーラーは暗黒面に心を奪われたことにより、周りを蹴落として自分が頭一つ出るために工作する連中だ。実力があれば、アピーラーなどという卑怯な道は選ばない。実力がないために、出世するために別の道を探すと、そこに見えてくる道が周りを蹴落とす道が見えただけだ。それがアピーラーの土俵となり、自分はただひたすら邪魔になりそうな奴の足を引っ張る。気がついたら、周りからアピーラーというレッテルが貼られている。本人はそのことはわからない。他のアピーラーのうわさを聞いても、自分は違うと思っている。
 だから、とにかく周りの足を引っ張る。そこまでするのか?と思うが、仕事においてのマウントポジションを築くには、とことんやるのがアピーラーだ。中国の宦官なみだ。昔の中国の宦官は欲望のすべてを出世にかけていたために、まわりを貶める策を練り、ライバルを謀殺し、皇帝にこびを売った。さらには、次の皇帝の卵にも目を付けて、自身の権力の継続を計る。アピーラーとは涼しげな言葉だが、やることは超汚いのだ。
 では、アピーラーの技能を紹介しよう。主なる技能は前述の「うそつき」だ。アピーラーの技能の軸はうそつきしかないと言い切る。息するように平然と嘘をつき、顔色ひとつ変えない度胸もある。最初は人を貶めるやめのウソに抵抗を覚えるのだが、その嘘でライバルが挫折し、自分が浮き上がる。そんな成功体験をすると、次第にエスカレートする。しかも、嘘をつきなれてくると、うそがばれることに怯えなくなる。少し事情を知ってる周りはそれはウソだろと思うが、日頃からアピーラーのウソで洗脳されてるアピーラーの上司達は簡単に信じてしまう。だから、超ウソっぽい話でも、口笛吹いて軽やかに乗り切ってしまう。
 そして、次のアピーラーの技能は情報収集である。アピーラーはある程度頭がいいので、何が自分のネタとなるかを考える。つまらない日常の出来事をネタとする。冒頭の取引先の人事異動なんかもそうだ。たかが人事異動だが、その取引先の相手が自分の上司と合わなかった場合、その相手先が他に転勤になれば、「私が陰で動きました」と報告する。バカ上司は、「そうか、すごいな」と評価点に響く。
 第三の技能、それはストーリー作りだ。アピーラーはある程度頭がよい小ずるい奴なので、いろいろストーリーを考える。自分にとって都合のよい最高の小説を頭で描く。頭が悪い奴はアピーラーにはなれないのはこういうところにも出る。そう、小ずるい奴がアピーラーには向いている。アピーラーは常に成果のネタをさがしている。自分を主人公とした物語を作るためだ。題材は何でもいいが、望むネタはプラスの業績ネタである。新規受注、売上増、業績改善などだ。ここをまず中心に探す。自分に部下がいれば、報告内容からネタを選び、自分が全く関わっていないにもかかわらず、どう関わったかのストーリーを考える。結果に結びつかなかった場合は努力の背中を盛り込む。マイナスネタの場合、素直に報告すると上司からの評価が下がるので、「交渉して何とかここまでマイナスを食い止めました」と話を盛るのである。話は山盛りで上司へ報告することになり、事情を知らない上司からの評価は絶大となり、「君の働きに感謝」となる。

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