SSブログ

アピーラー達の午後(11/14) ~ゴマもすれよ~ [哲学]

 そんな重要な技能「演技力」を、ウソをもっともらしく見せるための道具として、アピーラーも使いこなす。サラリーマンの武器である「演技力」は間違った使い方をしてはいけないのだが、一流のアピーラーはそれを自分の武器としてしまう。ウソのストーリーを迫真の演技で演じるわけだからたまったもんじゃない。しかし、一流のアピーラーはそれがいかに大事かが分かっているのだから手強い。アニキもかってはアピーラーの罠に何度もはまって苦労したのでアピーラーを賞賛する気はないが、一流のアピーラーは演技力も半端じゃなく、嘘泣きで涙を流したりウソの土下座をしたりと、敵ながらあっぱれなのだ。
 そして、アピーラーの最も恐ろしい点は、上司をすでに洗脳している点だ。上司に真実を直訴したとしても、すでにアピーラーに洗脳された上司は真実を訴える部下に対して、「他人を嫉むな」と一蹴してしまう。そして、「他人のことはいい、おまえは自分のことをやれ」と上司は続けるのである。この壁があるがゆえに、上司に真実が届かない。それはアピーラーの最後の技能である「根回し」である。仕事の9割が根回しであると言われている。ここでも根回しという一般技能をアピーラーは暗黒面で駆使してしまう。ただ、アピーラーの根回しの目的は前向きな業務の遂行ではなく、自分の評価アップのための裏工作だ。己の欲望のためのみであり、上司に対する評価を上げることと、ライバルの評価を落とすという2つの目的である。曲がった行動軸での根回しだからたちが悪い。
 上司に対する評価を上げる目的のためにアピーラーがやることは3つある。ひとつはゴマすり、そして、素直さ演出、そして、この2つで上司の信用を勝ち取っての情報工作だ。ゴマすりと聞くと、「ああ、アピーラーって上司にゴマする奴か」と短絡的に考える奴がいるが、混同してはいけないのは、ゴマすりは別にアピーラーだけの所業じゃない。上司へのゴマすりは立派な出世の戦術だ。上司にゴマすらないと出世できないぞと、アニキは言う。正攻法の実績を挙げても出世しない奴がいるだろ、そいつは上司にゴマすらないからだ。ゴマすりについては、後日アニキブログ「サラリーマンの武器『ゴマすり』」で詳しく話すから、ここではアピーラーとゴマするとの関係だけにしておく。ゴマすりが疎ましく見えるのは、ゴマすりだけで仕事している奴がいて、彼らはゴマすりしかやらないからだ。そして、バカ上司はそういう奴を可愛がるから勘違いするのだ。ゴマすりだけじゃダメだ!という話で、「少しはゴマもすれよ」ということだ。ゴマすりだけでは出世できないが、ゴマもすれなきゃ出世はしない。必要条件と十分条件の話だ。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。