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サラリーマンの武器「ファン」(2/3) ~世の中、全員営業マン~ [哲学]

 では、どうするか?モノを売っているだけではダメなんだ。「ファン」を作らないと。そして、その「ファン」を増さないといけない。世に中で自分のやるべき仕事は実はこれしかない。おっと、俺は営業じゃないから関係ないっていうか。それは違う、いいかよく聞いてくれ。世の中には営業マンしかいないって事実はわかってるか。俺はエンジニアだから関係ないとか、大学で研究しているから自分には関係ないとか思ってないか?もしそうだとしたら、残念ながら世の中のしくみをわかってない。世の中がわかってないということは、仕事ができてないということにつながる。
 よく考えてみてほしい、世の中の社会人全員が何か売って仕事している。そして、その対価に給料をもらっている。わかるよな?例えば、学校の先生は教える技術を売っている、医者は病気を治す技術を売っている、エンジニアはモノを設計する力や製造する力を売っている。名刺に営業部って書いてないだけで、全員が営業マンなのだ。まずはこの事実をしっかりと飲み込んでほしい。その上で仕事のスキルを上げることを考える必要がある。このサラリーマンの武器「ファン」を身につけるためには、まずは、自分はモノ売りであるという認識がとても重要なのだ。ここがわからないと、「ファン」を獲得する意味が全くわからない。そして、だれをファンにするのかという問題が次だ。要するに、「ファン」とはお客さんだ。誰が自分のお客さんかを特定しなければならない。営業マンにとってのお客さんはわかりやすいだろう。当然売り先相手である。でも、社内の管理部門はだれがお客さんかな。いろいろなケースがあるから一概には言えないから、自分で考えていてくれ。だれが「ファン」だと自分が評価されるか、仕事がやりやすくなるかで考えればいいだろう。先生職なんかが一番わかりやすい。自分の技能を売っている相手をファンにすることだから。
 しかし、アニキはこの社会を見ても、ほとんど人はファン作りをやっていない。「ファン」にすることを自分の仕事の中心に置いていないのだ。

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サラリーマンの武器「ファン」(1/3) ~「ファン」からしか儲けさせてもらえない!~ [哲学]

 「信者からしか儲けさせてもらいえない」これが商売の真理だ。アニキは営業畑だから、この言葉は痛いほどよくわかる。この言葉の意味するところがわかってないと、人生は大変苦労することになる。
この言葉はアニキが商社で働いていた若い頃、取引先の中小企業の社長がよく言ってた言葉だ。アニキはこの社長が好きで、訪問する度にその社長の話を聞くのが好きだった。そして今、アニキはこの社長の言葉を借りて、「ファンからしか儲けさせてもらえない」と言い換えた。信者っていうと胡散臭い響きがあるよな。そう、洗脳されて無類やりっていう雰囲気があるから、アニキは「信者⇒ファン」と言い換えている。ファンって言えば、自の意思で決めたった感じがするでしょ。だからアニキは、ファンっていう表現が気に入っている。
 世の中のしくみは、自分の「ファン」からしか儲けさせてもらえないっていうのが不文律だ。いや、それは違うぞと反論する奴は世の中を何もわかってない。アニキが言っているのは、注文を取るとか、取引を始めるって話じゃない。「儲けさせてもらえるか」って話だ。注文は値段を安くして見積もればもらえるかもしれない。しかしどうだ、そこでしっかりと儲けがあるか?という話だ。初めての取引じゃ、かなり突っ込んだ安い価格を提示して商売を取るはずだ。新規では、参入価格とか名刺代わりだとか言って安値で受注するはずだ。商品に競争力があり、言い値で売れるぞと言う奴がいるかもしれないが、そういう人は読まなくていい。そんな簡単な話ではないからな。ターゲットは大して技術力の差がない商品で、同業他社と似たような商品を売っているという前提と考えてくれ。まあ、大概がそういう状況だろう。売る物にあまり差がなく、どれを選んでも大差がない。選ばれるために価格競争やサービス合戦となり、利益は削られてほとんどもうからない。ならば、利益を得るためには何が必要かを考えることが大事だ。そう、高い価格で選んでもらうには、お客に自分のファンになってもらう必要がある。自分のファンなら、多少の価格差は融通を利かせてくれるし、こちらの頼み事も引き受けてくれる。儲けが少ないなら、何とか色を付けてもらうこともできるし、貸し借りも可能だ。これが、「ファンからしか儲けさせてもらえない」という真理で、ここがわかってないから、営業成績が上がらないし、仕事もうまくいかない。
 結局、営業の仕事とはモノを売る仕事ではなく、ファン造りだ。アニキが好きなコンサルタントの小宮一慶も「営業の仕事とはモノを売ることではなく人のつながりをつくる仕事だ」と言っている。まさにその通りだ。モノを売ることに執着しているから、営業がうまくいかない。まず、この点を早く理解することからスタートだ。
 この話は何も営業マンだけの話ではない。サラリーマンとしてうまくやっていくには、すべて「ファン」が必要だ。営業以外のどの部門でも仕事をスムースに自分の希望通りに進めたいなら、ファンの獲得が先決だ。ここがわかってないと、サラリーマン人生で苦労することになる。そして、ファンこそがサラリーマンの強力な武器となる。

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アピーラー達の午後(14/14) ~サラリーマン最後の聖戦~ [哲学]

 この現象はどの企業でも起こっている。大企業になれば、部長クラスでの話でなく、本部長、役員クラスでこれが起こる。大企業では、大概部長までは実力で昇進する。部長までは熾烈な競争がつきまとうので、アピーラーだけでは到底部長になれない。大企業では、「アピーラー+実力」が必要だ。というより、実力競争を少しでも緩和するためのアピーラー作戦と言ってもいいだろう。だから、サラリーマンの暗黒面アピーラーは役員になってから発揮される。
 どこの会社でもそうだ、役員は実力で成るわけではない。役員はトップの好き嫌いで成る役職だ。役員が雲の上の役職だから、一般的にはあまり理解されていないが、役員に近い部長クラスはみんな知っている。だれに気に入られる必要があるかを。また、部長クラスから役員への昇進はまだ序の口で、役員同士で上に上がるにはさらに熾烈な足の引っ張りあいだ。仕事は多大な部下達が業績を作ってくれるから、役員の仕事は自分の管轄へのかけ声とトップへのアピールしかない。だから、どの企業も「おまえは誰の派閥だ?」という話になる。誰の弟子になる?誰の派閥に入る?おひいきになるためにどう取り入るか?これが最も大事な仕事であり、自分の管轄の業績コントロールどころじゃない。そんなものは部下に任せておけ!だ。役員は皆、今後常務になれるか、出向させられるかの問題で頭がいっぱいだ。そこで、部下から上がってきた報告の中からアピールできる内容を探して、社内競争のプラス点とするわけだ。また、ライバルは間違いなく実力者のため、自分が出世競争で選ばれるためには相手の足を引っ張るしかない。そう、大企業の部長クラスや役員は皆でこれをやっている。お互い足の引っ張りあいだ。常にライバルのミスを探して、見つけたらそれをすかさず攻撃する。自分のミスは極力隠す。ここまでくると、正直さは武器にはならない。フェアな考えなんかは相手につけ込まれる恰好のエサになるだけだ。
 そう、サラリーマンの最終競争は悲しいかなアピーラーの競争なのだ。今まで自分の中に眠っていたアピーラー技能がここで開花される。ウソの技能も情報収集もストーリー作りも演技力もすべてここで試される。そう、最大のアピーラー技能を備えて役員の座を勝ち取った者が正義である。そして、役員になったら、そこでも常務、専務、副社長、社長とアピーラーの戦いは熾烈となる。そこはすでに自分ひとりでの戦いでなく、チームで足を引っ張る戦いが繰り広げられる超汚い世界である。数千万円の給料をもらい、ベンツに乗って一等地に住み、2号さんもいるような勝ち組連中も、敷石を剥がせば更なる高みを目指して醜い争いを今日も繰り広げている。
 勝者が正しい世界でない。これが皆が憧れるポジションのサラリーマンの最終決戦であり、人生においての聖戦なのである。アピーラーとは、全サラリーマンの最高権力者達が駆使する能力なのだ。

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アピーラー達の午後(13/14) ~大事なお仕事「実力者の排除」~ [哲学]

 業務に自信のないアピーラー部長は常に自分がその地位を追われることになるとヒヤヒヤしている。そう、アピーラーは非常に小心者であり、自分の実力のなさという化けの皮が剥がれることをおそれ、保身のためにウソをつく。ただ、それが、若い頃のようなライバルを蹴落とすという個人レベルではなくなっている。部長という役職になってつくウソは、会社の信用すらも自分の保身と天秤にかける。そのため、ウソのレベルも桁違いであり、アピーラー上司はモンスター化するのだ。
 モンスター上司はウソをつくことには大胆だが、一般的には正攻法の議論にはめっぽう弱い。では、アピーラー上司を見抜く2つのポイントを教えよう。まず、交渉の場を避ける。実力がないために、交渉や議論にめっぽう弱い。相手の圧力に対してはすぐに黙ってしまい、仕事の軸がないので言い返せない。ウソで対抗する場合もあるが、相手が実力者なら簡単に論破されてしまう。なぜなら、大概のアピーラーの論理は裏付けデータがないので、根拠がないことが多い。そんな感じだから、アピーラー上司は絶対に部下を交渉の場に連れて行かない。ひとりで相手先を訪問して話をしようとする。部下に自分がやられる姿を見られたくないのだろう。だから、ひとつめのポイントは、取引先へは自分一人で訪問するという点だ。2点目は1点目と似たようなものだが、電話は隠れてする。現在、会社の電話を使うより携帯電話で会話する方が多いはず。携帯電話に電話がかかってきたら、そのままどこかへ歩いて行って電話する。また、自分から掛けるときは必ずだれもいないところで電話する。この習慣がある上司は必ずといってもいい。まず間違いなくアピーラー上司である。
 そんなアピーラー上司が一番恐れているのは、自分の実力のなさの暴露だから、それを見透かされないように用意周到に社内で立ち回る。自分に不都合な奴の排除が一番の仕事となる。それは長い年月、相手の足を引っ張ることや架空の手柄ストーリー作りに夢中だったために、本来の業務で鍛えられてないがための話であり、身から出た錆だが、一度歩んだアピーラーの道はもう戻れない。そのため、アピーラー上司となったこの先もアピーラーとして突き進むしかなく、ライバルを蹴落とすのではなく、ライバルになり得る実力者の排除が必要となる。だから、有望な実力のある部下を嫌う。いつ、自分のポジションに取って代わるかわからないからだ。そのため、アピーラーは最後の罠を張る。それが、「実力者の異動」である。自分の部下で実力があり、性格もよく年齢も近い人間がターゲットだ。周りからの人望がある奴はなおさら早めに排除だ。だれが見ても出世しそうな奴が一番のターゲットとなる。前のブログでも話したが、部長とその部下に5年以上の開きがあればまず間違えない。アピーラーは「使える奴はみんないなくなる」と残念そうに話すが、どの口がそれを言うと。全部自分で追い出したんじゃないか。ここでもアピーラーの演技力が全開だ。

タグ:アピーラー
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アピーラー達の午後(12/14) ~モンスター「アピーラー上司」~ [哲学]

 よし、話を戻すぞ。要するに、上司にゴマすって素直に接して自分をまず信用させておいて、ウソ情報を上司に流すのだ。ここでのウソ情報は事実の側面解説が主な話となる。歴史小説家の手腕だ。歴史に描かれてない部分を脚色して語る手法だ。司馬遼太郎の小説のように、すべてが事実であるがごとく語るわけだ。誰も見ていない部分に嘘を盛る。このブログで何度も話したように、棚ぼたの新規受注は自分の影の動きであるとか、そういう類いの盛った解説だ。
で、ライバルを蹴落とすための情報工作だ。上司にライバルの悪口を吹き込むのは、上司が完全に自分の親派となったこの段階から始まる。ライバルが上司に報告しないで勝手に動いているとか、飲み会で上司の悪口を言っていたなどだ。ライバルの悪口は上司がまだ自分を信用していない段階で使うと逆効果となりうるからだ。
 そしてついにはアピーラーは棚ぼたとウソストーリーで出世してしまい、アピーラー上司が誕生する。アピールのみで成り上がったアピーラー上司は実務能力はゼロだ。そして、上司になった勢いを借りてそのまま上に上がり、かなり上層のポジションについた場合、それによる被害は甚大だ。つまり、その地位は自分の地位を実力で勝ち取ったわけではない。嘘つきまくって成り上がったからプロモーションは実力かもしれない。実務ではなく、人の足を引っ張るという実力については講演できるレベルだが、そういうエセ実力はこの場は置いておく。要するに、業務の実力が全くないわけだから、統括という管理職務においては、その仕事に対する知見も判断能力も全くない。前線で身体を張って戦った経験がないため、判断センスがゼロなのだ。「上司とは判断センス」とアニキは定義付ける。センスは磨き続けないと衰えるというのがアニキ哲学だ。実務の中に身を置いて切磋琢磨していても、自らが直接実務に触れていなければ衰えてゆく。管理職になった途端に実務から離れと、突然第六感が働かなくなり判断が鈍るという事態はここからくる。だから、実務を経験してきてない上司などに判断力があるわけもなく、アニキは、ポケットのないどらえもん、魔法の使えないハリー・ポッターと呼ぶ。コンペの馬名に付けたいくらいだ。
 そう、アピーラー上司は間違った判断を下しミスをおかす。しかも、自分が判断するために腹心の部下は全員つぶしてきているから、相談相手もいない。だから、アピーラー上司は自分が事態の前面に出ていかず部下に対処を任せ、うまく処理できれば自分の手柄とし、事態が悪化すれば部下のせいにする。そして、問題が業績や会社信用不安まで発展した時に伝家の宝刀を発揮する。それはアピーラーとしての技能「うそつきVer.2」がまたもや発動される。自分の出世のためではなく、自分の保身という目的のためのうそVer.2の発動となる。部下が適切な報告をしなかったために事態が悪化したというストーリーに作りかえ、その部下を異動させてしまう。しかも、異動させられる部下には、「私は必死に止めた」と訴えて、よい上司を演出することも怠らない。今まで攻めに使った数々のアピーラーといての技能を、今度は自分の保身のために使うことになる。その時のアピーラーの肩書きは、たぶんアピーラー部長であり、モンスターだ。なぜそうなるのか?

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アピーラー達の午後(11/14) ~ゴマもすれよ~ [哲学]

 そんな重要な技能「演技力」を、ウソをもっともらしく見せるための道具として、アピーラーも使いこなす。サラリーマンの武器である「演技力」は間違った使い方をしてはいけないのだが、一流のアピーラーはそれを自分の武器としてしまう。ウソのストーリーを迫真の演技で演じるわけだからたまったもんじゃない。しかし、一流のアピーラーはそれがいかに大事かが分かっているのだから手強い。アニキもかってはアピーラーの罠に何度もはまって苦労したのでアピーラーを賞賛する気はないが、一流のアピーラーは演技力も半端じゃなく、嘘泣きで涙を流したりウソの土下座をしたりと、敵ながらあっぱれなのだ。
 そして、アピーラーの最も恐ろしい点は、上司をすでに洗脳している点だ。上司に真実を直訴したとしても、すでにアピーラーに洗脳された上司は真実を訴える部下に対して、「他人を嫉むな」と一蹴してしまう。そして、「他人のことはいい、おまえは自分のことをやれ」と上司は続けるのである。この壁があるがゆえに、上司に真実が届かない。それはアピーラーの最後の技能である「根回し」である。仕事の9割が根回しであると言われている。ここでも根回しという一般技能をアピーラーは暗黒面で駆使してしまう。ただ、アピーラーの根回しの目的は前向きな業務の遂行ではなく、自分の評価アップのための裏工作だ。己の欲望のためのみであり、上司に対する評価を上げることと、ライバルの評価を落とすという2つの目的である。曲がった行動軸での根回しだからたちが悪い。
 上司に対する評価を上げる目的のためにアピーラーがやることは3つある。ひとつはゴマすり、そして、素直さ演出、そして、この2つで上司の信用を勝ち取っての情報工作だ。ゴマすりと聞くと、「ああ、アピーラーって上司にゴマする奴か」と短絡的に考える奴がいるが、混同してはいけないのは、ゴマすりは別にアピーラーだけの所業じゃない。上司へのゴマすりは立派な出世の戦術だ。上司にゴマすらないと出世できないぞと、アニキは言う。正攻法の実績を挙げても出世しない奴がいるだろ、そいつは上司にゴマすらないからだ。ゴマすりについては、後日アニキブログ「サラリーマンの武器『ゴマすり』」で詳しく話すから、ここではアピーラーとゴマするとの関係だけにしておく。ゴマすりが疎ましく見えるのは、ゴマすりだけで仕事している奴がいて、彼らはゴマすりしかやらないからだ。そして、バカ上司はそういう奴を可愛がるから勘違いするのだ。ゴマすりだけじゃダメだ!という話で、「少しはゴマもすれよ」ということだ。ゴマすりだけでは出世できないが、ゴマもすれなきゃ出世はしない。必要条件と十分条件の話だ。

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アピーラー達の午後(10/14) ~アピーラーの技能「演技力」~ [哲学]

 そして、最大技能である第四の技能、「演技力」を駆使する。演技力は欠かせないサラリーマン技能である。棚ぼた成果をさも苦労したように演出するために必要な技だ。大概の成果は棚ぼたが多いはず。それでのし上がった輩も多いはず。それが現実の大半だろう。運の良さももちろんあるが、それを我が事にする技能、それが演技力だ。君らの上司の大半はそれで上がった連中だ。演技力は、アニキ後日ブログ「サラリーマンの武器『演技力』」で詳しく話すが、アピーラーはまさにこの技能を使う。演技力だけでもサラリーマンの仕事が成り立つくらいの大技である。
 アニキは過去の商社マン時代に、会社のリクルーターとして新人面接にかり出されたことがある。実際の現場で仕事している先輩社員に学生の質問に答えるという役目だった。人事部じゃ実際の営業現場の様子を語れないからだろう。学生を選ぶ就職面接では、学生も会社を選ぶという一面もあるからだ。そこで、学生が質問してきた。「商社マンにとって一番必要な技能は何ですか?」と。俺たちを値踏みするような質問だ。「ほれ、言ってみろ」といわんばかりの質問だ。こういう時の答えは、誠実さや、情報収集力などと言ってはいけない。しかも、「一番」と言っているから2つを答えてはいけない。これは、商社で働いている人間を値踏みしようとしている質問であり、社会人に対してケンカを売ってきた状態だ。なめられちゃいけないから、ここでの答えは即答で、しかも一言で言い切らなければならい。営業マンとしてのレベルを見ようとしているような質問だ。この質問では何が重要かと言うと、一言で言い切ることと即答だ。それ以外は何でもいい。相手の質問の本質は答えの内容を訊いているのではなく、アニキの答え方を見たいのだ。アニキ哲学ではいつも、「言葉は定義付けろ!一言で言い切れ!」だ。すべて、一言で定義付け、迫力を持って言い切る。間違っててもいい、一言で相手を言葉で刺すわけだ。この話も長くなるからやめておこう。ここで大事なのは、アニキのその答え方だ。だからアニキは「演技力だ!」と一言で言った。そして、その理由もすかさず言う。「いいか、一流の俳優はその演技力で感動させてお金を稼ぐが、商社マンは演技力で感動させたあとに注文をとらなければならない。迫真の演技で怒ったり泣いたりした後に注文を取らねばならない。だから、商社マンは俳優よりも厳しい仕事だ」と。学生はまさか演技力なんて言葉が出てくるとは思わなかっただろう。またそれを一言で言い切って、その理由も長々としゃべらずに一言だ。学生は一瞬、目を丸くしたが、すぐにお礼を言った。俺はさらに、「どうだ、商社マンになりたいか?」と訊いたら、「はい、すごく成りたいと思います」と、目が輝いていた。
 アニキは何が言いたいかというと、要するに「演技力が大事」ってことだ。

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アピーラー達の午後(9/14) ~アピーラーの特殊技能~ [哲学]

 話が逸れたから元に戻そう。要するに、アピーラーは暗黒面に心を奪われたことにより、周りを蹴落として自分が頭一つ出るために工作する連中だ。実力があれば、アピーラーなどという卑怯な道は選ばない。実力がないために、出世するために別の道を探すと、そこに見えてくる道が周りを蹴落とす道が見えただけだ。それがアピーラーの土俵となり、自分はただひたすら邪魔になりそうな奴の足を引っ張る。気がついたら、周りからアピーラーというレッテルが貼られている。本人はそのことはわからない。他のアピーラーのうわさを聞いても、自分は違うと思っている。
 だから、とにかく周りの足を引っ張る。そこまでするのか?と思うが、仕事においてのマウントポジションを築くには、とことんやるのがアピーラーだ。中国の宦官なみだ。昔の中国の宦官は欲望のすべてを出世にかけていたために、まわりを貶める策を練り、ライバルを謀殺し、皇帝にこびを売った。さらには、次の皇帝の卵にも目を付けて、自身の権力の継続を計る。アピーラーとは涼しげな言葉だが、やることは超汚いのだ。
 では、アピーラーの技能を紹介しよう。主なる技能は前述の「うそつき」だ。アピーラーの技能の軸はうそつきしかないと言い切る。息するように平然と嘘をつき、顔色ひとつ変えない度胸もある。最初は人を貶めるやめのウソに抵抗を覚えるのだが、その嘘でライバルが挫折し、自分が浮き上がる。そんな成功体験をすると、次第にエスカレートする。しかも、嘘をつきなれてくると、うそがばれることに怯えなくなる。少し事情を知ってる周りはそれはウソだろと思うが、日頃からアピーラーのウソで洗脳されてるアピーラーの上司達は簡単に信じてしまう。だから、超ウソっぽい話でも、口笛吹いて軽やかに乗り切ってしまう。
 そして、次のアピーラーの技能は情報収集である。アピーラーはある程度頭がいいので、何が自分のネタとなるかを考える。つまらない日常の出来事をネタとする。冒頭の取引先の人事異動なんかもそうだ。たかが人事異動だが、その取引先の相手が自分の上司と合わなかった場合、その相手先が他に転勤になれば、「私が陰で動きました」と報告する。バカ上司は、「そうか、すごいな」と評価点に響く。
 第三の技能、それはストーリー作りだ。アピーラーはある程度頭がよい小ずるい奴なので、いろいろストーリーを考える。自分にとって都合のよい最高の小説を頭で描く。頭が悪い奴はアピーラーにはなれないのはこういうところにも出る。そう、小ずるい奴がアピーラーには向いている。アピーラーは常に成果のネタをさがしている。自分を主人公とした物語を作るためだ。題材は何でもいいが、望むネタはプラスの業績ネタである。新規受注、売上増、業績改善などだ。ここをまず中心に探す。自分に部下がいれば、報告内容からネタを選び、自分が全く関わっていないにもかかわらず、どう関わったかのストーリーを考える。結果に結びつかなかった場合は努力の背中を盛り込む。マイナスネタの場合、素直に報告すると上司からの評価が下がるので、「交渉して何とかここまでマイナスを食い止めました」と話を盛るのである。話は山盛りで上司へ報告することになり、事情を知らない上司からの評価は絶大となり、「君の働きに感謝」となる。

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アピーラー達の午後(8/14) ~「道」の暗黒面「獣道」~ [哲学]

 また本題から逸れるが、せっかくだから道(どう)についてもう少し説明しておこう。アニキ哲学では、日本人の行動の源である「道(どう)」を哲学の柱としている。過去ブログでは何度も日本人の行動の本質は「道の精神」だと書いてきた。そして、アニキ哲学の考え方のひとつに、「すべての概念には相反する2つの事象が引き合ってバランスを取っている」というものがある。道にもいい面だけということはない。その意味では、道(どう)の対極が「獣道」である。アニキ哲学において、獣道は「けものみち」ではなく、「けものどう」と読む。道(どう)の精神をマイナス側に使うという意味である。日本人の生き方の精神を象徴するプラスの概念が道(どう)であるが、マイナス側にそれを生かすことも可能であり、負に向かって極めてゆくこともできてしまう。残念なことだが、マイナス側にも磨けてしまうのだ。世に中のよいと言われる物や考え方にはすべて裏も存在するというのがアニキ哲学だ。だから、始末が悪い。人間の創造主はよく考えて作ったものだと思う。良い物を手に入れようとすると、そのすぐ隣には負の意識があり、簡単には手に入らないようにできている。道の精神も武器だと考えればしっくりくるだろう。アニキがブログで提唱するサラリーマンに武器は考え方の武器が多い。何か、伝説の剣でも与えてくれるのかと期待しても、そんなものはどこにもない。自分の心とそのしもべである脳の使い方が武器なのだ。心が行動軸を作り、脳に行動指示を与えるだけだ。だから、考え方に間違いがあると裏目に出る。誰もが簡単に持つことができる技能だが、考え方次第ではマイナスに作用する。稲盛さんも言っているあのかけ算だ。最後に考え方というマイナスのかけ算をすると、いままで努力で増やしてきた莫大な数字は一気に莫大なマイナスの数字に化けるのだ。人生を象徴する方程式であり、肝が冷える。要するに、武器にいい物も悪い物もない。武器を使う者次第ってことがこの世の真理だ。考え方次第で武器にも凶器にもなる。獣道とは言わば、スターウォーズのフォースの暗黒面と言うのが一番しっくりくるだろう。
 アピーラーに話を戻すと、出世の暗黒面に心を奪われたサラリーマンこそがアピーラーであり、自分の評価や出世のためには何でもありという覚悟を決めた人種だ。人間の欲望は常に暗黒面に支配されている。ダースベイダーだって若い頃はいい奴だったんだ。それが考え方で変わってゆく。サラリーマンなんかもっと心が未熟だから、簡単に暗黒面に落ちるのはわかるだろう。
 そんな狭い会社の中にあって、正当な競争で出世を期待しているのは世の中のごくわずかなサラリーマンだ。ほとんどのサラリーマンは自分の実力のなさに落ち込む。実力では無理だと悟り、ライバルに嫉妬する。しかし、何とか出世はしたい。だから、禁断の果実に手を出し、ライバルの足を引っ張ることを平然とやる暗黒面へと落ちるのだ。それがアピーラーだ。
 悲しいその素性を聞くと同情もするが、そのアコギな手口は決して誉めらるものじゃないが、サラリーマンという性質上、命まで取られることはない。

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