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アニキの組織論(1/5) ~組織は生き物~ [哲学]

 組織は生き物である。この前提がわかってない人が多い。だから、会社や部署など組織に対する不満が生まれる。組織が固定の存在だと思っているから、愚痴が出るのだ。組織が生き物だと考えるなら、腹が立つことも少しは減るだろう。なぜなら、生き物は受け身の存在ではない。常に動きがある。相手側からの働きかけもあり、それに対応するこちら側の姿勢も必要だ。なら、会社や組織も同じだ。受け身の存在だと思うからこそ腹も立つ。会社が生き物と考えれば、こちら側の対応姿勢も変化させる必要があるからだ。そう、まずは会社や組織の対する見方を変えてみる必要がある。
 例えば、会社は法的にも人間とほぼ同じ権利が与えられている。だから、会社が生まれた当時はその理念や信念がしっかりとしており、安定している。それが年月を経るに従って、段々と方向が変わってくるし、理念もうやむやになっていく。そして、コントロールが効かなってくる。まさに会社という組織は人間と同じ。年齢と共にややこしくなってくるのに似ている。会社でも組合でもクラブでもなんでもそうだ。どんな組織でも、最初は創業者の意図を組んだ立派な目標や理念を唱え、その旗の下に集まった人間の集合体だ。
 集まるのは様々な人間だから、その意識を統一させる人間が必要だ。それを統率するのが社長であり、社長は自分の理念を具現化してくれる従業員を集める。創業当初は、創業社長自らがこれを行うため、組織には一体感がある。規模も小さいから、統率もしやすい。一体感があるから、生き物としてはなんの違和感もない。創業者の意思が手足に伝わる。まるで、ヒーロー戦隊物の合体ロボ状態だ。向かうところ敵無しだ。最初は利益は少ないが、理念がしっかりとしたこの「合体ロボ」状態は、ゲームで言えばまさに「コンボ」だ。必殺技炸裂で押し進む無敵状態だ。この無敵というのは、儲かってしょうがないという意味ではなく、儲かってなくても「今は儲かってないだけで、この方向で間違いない」と皆が確信しているということだ。組織みんなの心が無敵なのだ。
 ところが、組織が生き物であるということがわかってないと、悲惨なことになる。この無敵状態を創業者は早くも「成功」と勘違いしてしまい、まず贅沢をし出す。ちょっとばかり小銭ができたからといって、今まで苦労して質素な生活をしてきた反動もあり、高級車やゴルフ会員権などを購入する。この兆候が出てきた時点で要注意なのだが、成り上がりの創業者はまず間違いなくこの道に走る。ちょっと業績がよくなると、銀行なんかがチヤホヤするものだから、小者の創業者などは自分が「成功者」と勘違いしてしまう。
 ここから、会社という生き物の体調が悪くなってくるのであるが、創業者にはそれはわからない。小さな綻びだからだ。しかし、この小さな綻びこそ、会社を傾かせる大きな要因であると言いたい。

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