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サラリーマンの謎「給料」(5/7) ~将来の愚痴を選べ~ [哲学]

 一般的な話になるが、商品に魅力のある会社は給料が低くてもよい。口には出さないが、社長は本当にそう思ってる。もっと言うと、商品に魅力のある会社は、商品開発や設計等の開発部門で実績を上げてる人の給料は高いが、それを売る側の給料は低い。商品がよければ、誰でも売れるからだ。商品に魅力のある会社でも給料が高いところはあるが、組合があってしかたなく平等にしなければならず、そうなってるだけだ。今の日本を代表する家電メーカーなんかがいい例だ。これは高度成長期の失敗だ。日本国内業者同士での競争の時代はよいが、世界の業者と闘わなければならない現在では、全く刃が立たないよな。一旦給料を上げてしまうと、あとで下げることができないから、もう人を減らすしかないのだ。
 だから、自分の将来を考えれば、どんな会社に就職すべきかはおのずと判断できる。これは、会社の規模や財務内容や将来性などの一般的な指標ではない。商品に魅力があって給料の高い会社は避けた方がいい。企業の終わりに近づいているといえるのだ。詳しくはサラリーマンの謎「就職」で、後日話そうと思うが、会社選びの段階で、すでに自分が給料に対してどんな愚痴をこぼすか、すでにわかっている。だから、将来どんな愚痴をこぼしたいかで会社を決めるのだ。商品に魅力があって給料が低い会社は健全だといえる。やる気があって給料を増やしたいなら、人間と販売商品との価値の上位概念をよく見るべきだ。人間の商品価値が上なのか、販売する商品価値が上なのかだ。商品に魅力のある会社の社長は、売り子より商品の方が価値が上だから、商品が上位概念となる。上位概念とは、究極の選択時や物事の判断基準だ。どっちか一つを選ばなければならないとき、どっちが上かの判断が上位概念だ。社長は不況を想定して、上位概念で上の方の価値を磨いてゆく。
 一方、商品には大した価値がなく皆同じな競合商品も多い業界では、買う側は何でもいいから、売る人の人間性や価格などで選ぶ。特に、売る人の器量次第となるから、当然多く売ることができる人の給料が高い。不動産関係の営業マンや証券会社の営業マンなんかはその典型だ。飲み屋のホステスもそうだ。これらの人達は、顧客ごと持って転職してしまうから、辞められたら堪ったものではない。社長はその人を引き留めておくべきかどうかで、そろばんをはじき、引き留めるためには給料を上げざるを得ない。
 もっと簡単に言うと、社長が自分のところの商品に魅力があると感じていた場合、商品の価格をさらに上げようと考える。それでも売れるから会社は儲かりすぎるのだが、儲かったからといって従業員の給料に還元することは決してない。従業員の給料は安いままで、会社だけは大もうけという図式になる。別にだれが売ってももうかるのだから、従業員の給料を上げる必要はないのだ。それが嫌なら、早く辞めてくれればいいと思ってる。ここがわかってないから、従業員は「なんで会社が儲かってるのに、俺たちの給料は低いままなんだ」との不平不満が生まれる。社長の常套句は、「不況に備える」だ。いい時は短い。いつまた、不況が来るといけないから、備える必要があると言うのだ。すばらしいい言い訳だ。言葉は信じちゃいけないな。社長の行動を見ればいい。贅沢してるはずだ。こんなところを見ると、誰でも腐るよ。しかし、ここで腐ってはいけない。腐ると益々立場は悪くなるから、何とかそれでも有利なポジションを確保する必要がある。
 それが、次に紹介する「出世」という手段による給料確保作戦だ。

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