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人生テクニック「上位概念」(5/8) ~組織という名の船~ [哲学]

 アニキの言う軸とは、自然にできた軸ではない。自然にできた軸では何の武器にもならないからだ。逆に自分の身を滅ぼす。こんなものはない方がよいが、粘土のように時間と共に自然と固まってゆく。固まったら、それを壊すのは至難の業だ。この固まってしまった軸を固定観念と呼ぶのだが、それを壊すのは並大抵の努力では不可能だ。昔はやった自己啓発セミナーなんかは、この固定観念を壊すことを最初の試練としているのだ。何十万円もかけて固定観念を壊すことになる。要は、自然にできた軸なんかは百害あって一利なしだ。
 サラリーマンとして必要な軸は、プレッシャーの中で作られるもの。若い時から、プレッシャーの中に身を置き、目の前の事についてその都度真剣に決断してゆく。たとえ間違った決断をしても、失敗という貴重な経験ができる。それを反省し分析し、次の決断で誤らないようにする。この繰り返しにより、自分の軸ができてくる。正しい決断とは何かが、だんだん見えてるのだ。それは、昼間だけの話ではない。夜の飲み会でも経験に磨きがかかる。先輩や上司の経験談や生き様などに触れて、物事の判断とはそれが正しいかどうかではなく、考え方も重要なのだということがわかる。そのことが自分の軸の栄養となり、軸を太くする。会社から与えられた仕事はモノを売ることだが、実はそうじゃないんだと気づいたりする。買うのは人の判断だから、上位概念はモノではなく人だということに気づくのだ。するとどうしたらよいかが見えてくる。営業とはモノを売ることではなく、ヒトのつながりを作ることだと。コンサルタントの小宮一義も言ってるよな。これがサラリーマン解脱の境地となるのだ。いかに経験が侮れないかということだ。
 経験が多いと、物事の先がある程度読めてしまう。年配者の意見が通りやすいのもそこだ。発言の中心に信念がある考えはとてつもなく重く、説得力がある。経験に裏打ちされないうわべだけの軽い意見と異なり、それはまるで鋭い槍の如しだ。課長より部長、部長より役員と、役職とは経験値による決断力の違いである。それがわかってないなら、簡単に役職を引き受けてはいけない。ただ偉くなって給料が上がっただけではない。自分の決断により戦況が左右されるという大きなリスクを抱えることを理解しなければならない。そのために、役職が上がれば上がるほど精進し、己の信念を磨き上げる必要がある。じゃないと、決断時にプレッシャーに押しつぶされる。押しつぶされるのが自分ひとりならいいが、役職が上のひとの判断ミスは楽観できない。判断ミスにより自分の部下の運命も一蓮托生ということだ。
 つまり、組織とは船である。部長丸という船で、当然その部署の船長は部長だ。嵐の海で自然と闘い、敵船や海賊と戦い命令をクリアしなければならない。部下は船長と運命を共にする。経験を生かしてない船長には、いざと言うときの判断力はない。そんなくだらない船長(上司)について、沈んだ船は数え切れない。そんな人をアニキは何人も見てきた。船のクルーも、船長が利口かバカかは見てればわかる。上司がバカ殿だとわかった時のショックも大きいだろう。バカ船長の船に乗っていたくないはずだ。
 アニキは何が言いたいのかというと、船長は哲学を持てということだ。それは、ただ本で読んだり、人から聞いたりしたものでなく、自分の経験を通して身につけた哲学である。「信念⇒軸⇒哲学」という流れを自分で作れということになる。船長を社長に置き換えても同じである。

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