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親の謎「親の心、子知らず」(7/9) ~若いうちの苦労~ [哲学]

 ところで、要領の良さは社会に出てからしか学べないのかとおもいきや、学校でも学べる場面もある。それはテストの「一夜漬け」だ。一夜漬けは、要領の良さの訓練にもってこいであり、高校や大学の定期考査はまさに一夜漬けを学ぶためにあるといってもよい。大学へ行く価値のひとつはこの一夜漬けによる要領の良さを訓練できることだ。一夜漬けで単位を取ってこそ、着々と要領の良さが身についていることになる。親は、せっかく大学に行かせているのに、日頃から遊び惚けて全く勉強しない我が子を見て、ため息がつく。試験前だけ勉強している姿しかなく、要領の良さを身につけさせるために大学へ行かせているようなものだが、落胆することはない。高い授業料を払って、社会で一番役に立つ要領の良さを身につけているからだ。
 しかし、悲しいかな、この要領の良さは苦学生ではなかなか身につかない。自分で学費を稼ぐ学生は、真面目にコツコツ勉強してしまうためだ。コツコツと真面目に勉強してしまうと、焦らないから要領の良さは身につかないのだ。親に授業料を出してもらってるお気楽大学生が、それを身につけてしまう。実はコツコツ型ではダメなのだ。怠け者こそが要領の良さを身につけるに適した性格だ。新聞奨学生が悪いと言ってるのではない。それはそれで立派だ。要領の良さは身につかないかもしれないが、人間の軸というものは太くなる。これも人生においては大事だ。人間、苦労は決してムダではない。結果は出ないかもしれないが、苦労から学ぶことは本当に多い。「苦労しても結果が出なかった」という経験からも何かが学べる。それが人の軸というものを太くするのだ。そういう意味では、苦労とは人間の基礎を作るためには欠かせない経験なのだ。まあ、相撲の稽古の四股のようなものだ。地道な四股が横綱を生むということだ。
 世の中理不尽なのだが、アニキ哲学の根幹にも触れる現象がここにもあるから、少し話しておこう。苦労している奴より、お気楽な奴の方が人生は思うように進むという事実がある。これが世の中のしくみだ。この話も長くなるから別途させてもらうが、ここでは何が言いたいのかというと、お気楽な学生の方が要領の良さという社会に出て役に立つ力を身につけてしまうということだ。そして、苦学生が身につけるものは苦労からの学びなのだが、ここで注意しなければならないことがある。実は、ここでも若すぎるうちの苦労による弊害がある。中学卒業でいきなり社会に出る若者の苦労とはまた別物だが、大学生で苦労のしすぎも問題だ。苦労に心が押しつぶされないようにしないといけないということだ。
 心が折れる程の苦労を若い時に味わうと、それが被虐的に自分を捉えてしまい、世の中をすねたり周りをやっかむマイナスの心が生まれる。そうなると大変だ。アニキが過去何度も話している通り、マイナス思考が生む「不幸のスパイラル」だ。マイナスの心をもっていると、思いっきり不幸になる。苦労が人生を上向きにさせる人と、不幸を招く人の差はここにある。同じ苦労をしても、とらえ方や考え方で結果はすべて正反対になるから不思議だ。引き寄せの法則や願望実現の本なんかにも書いてあるだろう。プラス思考でいかないと、とんでもないことになるのだ。

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