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女は武装する(5/14) ~張り子の虎~ [哲学]

 それだけじゃない、さらに致命的なのは、男が獲物を捕ってくることができなくなっている現状がある。元々太古の昔、男は獲物を捕ってきた。自慢の強靱な肉体を駆使して、大きな獲物を捕ってきた。大きな獲物ほど価値があり、大きな獲物を捕ってくる男こそがエラいわけで、女から見れば、自分達ができないことをやってのける男を尊敬していた。逆に獲物を捕ってこられない男は家族を養うことができないから、尊敬されない。これを現代に置き変えて見ればよい。獲物とはいわば給料だ。多額の給料を家に入れる男は、家でぐうたらしていようが何していようが、それは許された。なぜなら、高度成長期から今までは、男の給料一本で家族を養えることができたという事実がある。男が捕ってきた獲物(給料)で家族が充分食えていたからだ。しかし、ここに来て状況は変化している。男の給料一本では家族を食わせることができなくなってきている。終身雇用制度は破綻寸前であり、企業は従業員の待遇よりも企業価値を上げることに必死だ。リストラされたサラリーマンの再雇用は安月給先しかない。「今までもらいすぎ」だという話なのだが、もらってしまったらそれが基準となる。それを基準として生活レベルを組み立てるのが普通だ。いきなり生活水準を下げて貧乏しろといわれても、家族は納得できない。奥さんや子どもにとって、生活水準は絶対譲れない線なのだ。稼げないダンナに不満があるものの、背に腹は替えられないから、奥さんも働かざるを得ない。それが、現在の共稼ぎ事情の大半である。
 アニキはこんな社会現象を述べたいのではない。何が言いたいのかというと、獲物を捕ってくることができなくなった男に「価値はない」ということを、女は感じているってことを理解すべきなのだ。まさに男の存在意義が希薄な現代である。女は、「これなら男よりもできる気がする」と思うし、「男に頼ってちゃダメだ」と心に決める。そう、ぐうたらな男しか見ていない為、今まで「すごい」と思って見ていた男社会を冷静に観察すると、「大したことないじゃない」と感じてしまうのだ。この現代日本の男社会とは、「張り子の虎」であることがすでにばれてしまった。強靱な肉体が要らなくて、瞬発力が必要な脳の力も要らないとなると、女は男社会に切り込んでいく自信が生まれる。そして、男を見下せる存在であることに気づく。男尊女卑のカラクリが段々とわかってきたからである。
 で、何とか努力して男と渡り合える環境を目指すわけだが、この日本ではどこを見渡しても男社会であることに気づく。男と対等に渡り合いたいからと、がんばって4年制大学まで卒業するわけだが、就職活動で奈落の底に着き落とされる。採用枠が総合職と事務職という道に分かれているからだ。事務職を選択すると、安月給の道で昇格・昇給もない。せっかく大学まで出たのに事務なのかと、トホホな状況だ。ならば総合職かと、一念発起して挑むわけだが、ここで男社会の壁にぶち当たる。非常に狭き門である。一緒に面接を受けたハナタレ小僧のような男子学生が採用されても、女子学生はかなりの技能がないと採用されない。
 ここにも理不尽な世界がある。

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