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サラリーマンの謎「給料」(2/7) ~企業タイプによる愚痴の違い~ [哲学]

 では、このタイプ1企業はいま何を考えてるかといえば、飼い殺しだ。大企業、特に上場企業の社長は雇われだから、株主の評価のみが気になる。ということは、自分の任期中の利益だけである。これだけを真剣に追い求める。この「任期中」というのがくせ者だ。任期は会社によって異なるが、通常2年~4年だ。その間に利益が上がればよいのだ。以前が赤字なら、黒字にすること。以前が黒字なら、その黒字額を下回らないことが命題だ。ここをクリアすれば名経営者となる。そのため、最近では将来の事業のことなど気にせず、どんどん事業を切り売りしたりしている。経営者も自分のことでいっぱいいっぱいで余裕がない。
 社長はつねに株主という法律上の「社員」の満足度を意識するので、従業員という実際の「社員」のことなどは二の次だ。「給料が安い」という愚痴に対しては、「言わせておけ」で終わりだ。で、その声が大きいと、現場部署や人事方面に対し、「給料をいじらずに何とかしろ」という命令が出る。給料を上げると、人件費がぐんと増えて経営を圧迫するから、自分のクビが危なくなる。だから、そんなことは絶対にしないのだ。福利厚生の充実でお茶を濁す社長がほとんだろう。
 次にタイプ2の企業だ。タイプ2は外資系などの給料が歩合制の会社だ。このタイプでは自分の給料が上がるにはどうすればよいかが明確であるから、ただひたすらそれに向かって働けばよい。自分がそれを難しいと考えれば、辞めるだけであるから、特に給料が低いという言葉はあまり聞かない。しかし、このタイプ2型企業にも問題はある。このタイプ2での問題は、実績がすべてであるために、常に走り続けないといけないということだ。フルマラソンを全力疾走できる奴なんか、この世にいないのだが、このタイプの企業ではそれを強要される。給料を鼻にんじんで走らされる。しかし、自分の実績が認められれば、給料は格段に上がる。ついでに地位も上がる。若いのに高い役職を得られるのが魅力だが、地位が上がると今度は部下を育てなければならない。自分はすごい人が多いのだが、部下を育てる力がない人がほとんどだ。自分が第一線から退いたら売り上げが激減というもの珍しくない。そうなると、すぐに減俸や降格となり、優秀営業マンというプライドにキズか付く。だから、部下へのスパルタが自然ときつくなり、今話題の「クラッシャー上司」となるのだ。人を使うのと、自分でやるのとでは雲泥の差。このプレッシャーがハンパじゃない。出来の悪い部下のために、ノルマを手伝ったり、数字が悪いと営業会議でつるし上げられるから、言い訳考えて取り繕ったり、大変だ。そのため、心の病気になったり、無理するものだから体調をこわしたりする。
 だから、タイプ2の人は、高給をもらってるくせに、苦労の割に「給料が安い」という愚痴になるわけだ。だから、入れ替わりも激しいのがこのタイプの企業で、いつも人員を募集している。いつも人を募集している会社というのは、いくら給料が魅力的でも裏を読まなければならない。大概、厳しい現実が待っている。
 まあ、短期間がむしゃらに働きたいならいいかもしれない。長く居座るから、給料の愚痴が出るというものだ。

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