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「座敷わらし」を見た!(上) [謎の事件]

 堅い話が続いたので、今日は息抜きをしよう。心地よい話題で和んでもらう。
 さて、「座敷わらし」って知ってるか。古い家に住む子供の妖怪だ。霊感の強い人には見えるらしいが、普通の人は見ることができない。その正体が何かはわからないが、どうも危害は加えないらしい。こんな話を子供の頃に聞いたことあがる。そしてアニキが大学生の時、座敷わらしを発見する方法という話を聞いた。どんな方法かというと、真っ暗にした部屋の四隅に一人ずつ立つ。最初の一人が、壁伝いに次の角まで歩き、そこにいる人にタッチする。タッチされた人は、壁伝いに同じように次の角まで歩いていき、その角にいる人にタッチする。で、タッチされた人は同じように歩いて、次の人にタッチするのだ。これが不思議な事に、永遠続くのである。これは不思議なのだが、部屋の中には4人しかいないのに、永遠に続くのはおかしいのだ。よく考えてくれ、最初の人が出発した場所には人はいないのだから、4人目の人が最初の人の場所にたどり着いた時、だれもいないのが自然である。にもかかわらずだ、だれかいるということなのだ。そして、そのだれかとは、「座敷わらし」であるということ。座敷わらしは子供の妖怪なので、遊ぶのが好きらしく、出没するのだという。
 こんな話をアニキは4人の仲間とスキーに行った時に聞いた。夜、部屋で飲んでいる時にこんな話になった。当時泊まっていた宿は、学生が泊まる格安部屋で、とくかくぼろい。すきま風も時々入ってくるし、暖房があまり効かない湿った部屋だ。いかにも…だ。話の流れから、試してみようという流れになった。やるかやらないかでもめたが、やる派がじゃんけんで勝ったので、やることにした。当然アニキは臆病者なので反対したが、酒が入って気が大きくなった連中の勢いを止めることはできなかった。
 古いスキー宿って、ホントにやばいぞ。
(明日に続く)

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