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「水野きみこ」を紹介しよう [音楽・歌手]

 「水野きみこ」という歌手をご存知だろうか。1982年の頃の話だ。アニキがまだケツのあおい高校3年の時、突如現れた大型新人アイドルだ。凜々しい眉毛と泣きそうな顔がたまらなく可愛らしかったことを今でも覚えている。
 確かデビュー曲は「私のモナミ」。いい曲だった。アルバムも1枚ぐらいしかないと記憶している。写真集は1冊出ているのは知っている。アニキは「恋は南風」という曲がお気に入りだった。歌がベストテンに入ってこないため、テレビではなかなかお目にかかれない希有な存在だったから、新聞の番組欄に彼女の名前を見つけたらラッキーだった。道路で1000円札でも見つけた気分だ。そんな状態だから、当時のアニキと同年代以外にはほとんどその存在を知られていなかったと推測する。
 歌は正直うまくないが、彼女のことをそんなパーツで判断したら見誤ってしまう。細かいことはどうでもよいのだ。当時の重たいウォークマンに曲入れて、何度も聴いた。友人は彼女の歌を評価しなかった。しかし、他人の評価など気にならない。なぜならアニキは当時、それを歌だと思って聴いてはいなかったのだから。そう、アニキ達ファンは言霊だと思って聴いたのだ。言霊だから心に直接響いていたのである。
 皆、彼女の容姿とその歌声にただひたすら惚れていた。歌声が実にいいのだ。男をとろけさす声と言ったらいいのだろうか。ナマで歌う姿を見たなら、いつ声が途切れるのだろうか、音程がはずれるんじゃないかと、ドキドキしたものだ。普通の歌手とは応援の仕方が違うのだ。その泣きそうな笑顔を見ると、大丈夫だろうかと見守りたくなる存在。アイドル性は高かったのだ。歌がうまいからとか、美人だからとかだけではない。パーツではないのだ。アイドルは総合力なのだ。
 まず、目に見える部分で虜になり、目に見えない部分は想像で勝手に解釈する。性格はよくわからないが、「いいに決まってる。」だ。男の趣味はよくわからないが、「俺みたいな男に決まってる。」だ。
 何が言いたいのか!結局は総合力勝負であるため、いまや彼女の歌が再び流行ることはないだろうということだ。曲に時代を超えた何かがあるとか、歌が人の心を打つものがあるとか、そんなものは初めからないのだ。だからよい。彼女がまたどこかで発掘されて、メディアに引っ張りだされて見世物にされるのは忍びない。一時的には注目を集めるが、またすぐに忘れ去られるからだ。そんなことは酷いだけである。アニキ達当時のファンの心の中で、当時のまま生き続ける彼女が大事なのである。俺たちは歳を取るが、彼女は若いままだ。これが一番いい。
 水野きみこのファンにはなぜか暴走族が多かった気がする。当時、暴走族が全盛期の時代だ。アニキは千葉県人だったから、日常の風景としてあちこちに暴走族がいた。その暴走族の行進を沿道で眺めることがしばしばあったが、バイクの後ろに「水野きみこ命」と書いたのぼりが立てられていたものだ。ああ、ヤンキー兄ちゃんもファンなのかと、感心した。
 そんな彼女も、アニキが他のアイドルに目移りした隙に消えてしまっていた。俺一人ぐらいという気持ちで浮気したのだが、当時のファンの大半がそんなことをしていたのかもしれない。彼女が消えてしまった原因に、浮ついたアニキ達のようなファンが多くいたのであろう。申し訳ないことをした。今からでもお詫びしたい。
ということで、その罪滅ぼしも有り是非PRさせてもらいたい。今更ながらであるが、多くの人に知ってもらいたいと思う。アイドルは総合力だから、本人を知らない人が曲だけ聴いても、何も得られないかもしれない。だが、「水野きみこベスト」というCDは、ぜひ聴いてもらいたい。これは一つのお宝である。
 しかし一般人となった今、どこで何をしているのだろうか。元気に生きているなら、それで充分だ。
 今日は長くなってしまったが、アニキの思い入れの深さだと理解していただき、許してほしい。
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