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「オーナー社長」という生き物の生態(8/11) ~年上者を惹きつけろ~ [哲学]

 さらに創業オーナーという珍獣には、大きな問題がある。実は彼らは、自分より年上を使うことができない。大概のオーナー企業はベンチャーからの出発が多い。成熟しきった業界より、新規の将来が期待できる業界だ。そうなると、やはり若い社長がベンチャーとして起業するわけだが、彼らは自分より年下の人間しか使えないのだ。年上の人間をいかに使うかが、オーナーの器量の見せ所なのだが、年上はくだらない若造に簡単には従わない。相当高給待遇にでもしないかぎり若造の下で働く気はしないのだ。年上は、若造社長に対して、「こいつにはかなわない」と思った時初めて従うことになる。昔の武将が参謀を引っ張ってくる時の状況を作ればいいのだが、まあ、難しいだろう。ただの若造オーナーでは、ただのハナタレじじいならついていくかもしれないが、参謀クラスの能力者を惹きつけることはできない。
 じゃ、年上者を惹きつけるにはどうしたらよいのか?それは、「信念・理念」だ。信念のない若造になんか、年上は決してついて行かない。会社の信念・理念だけでなく、社長自身の信念や哲学も重要だ。たとえ信念や哲学があったとしても、それを口で語っただけじゃダメだ。それを行動で見せることができて初めて有能な年上者は仕える。もし、信念がない社長の下で年長者が働いたとしたら、常に社長はその年長者に信念のブレを指摘されることになる。そうなると、年下の若造社長は、小うるさい年上者が煙たくってしょうがない。なぜなら、そんな正論を振りかざされたところで、会社運営において、信念や哲学が何よりも重要だということが、珍獣には理解できてない。有能な年上者は、すべての物事は信念や行動哲学に照らし合わせて遂行されなければならないことがわかっているから、そんなこともわからないひよっこ社長に、物事の本質を教えたくなる。そんなことでは、若手社員に対してもメンツ丸つぶれだ。だから、プライドが高いオーナー社長としては、口うるさい年上者には居て欲しくない存在となる。
 だからアニキは言う、「年上者を使い切れないオーナー社長は、ダメ社長だ」と。ホンモノのオーナー社長であれば、年上者をねじ伏せるだけの力量を持ち、難なく年上者を使いこなす。だから、若造オーナー社長の下で働く社員はすべて年下という状況は、対外的には好ましくない。自分がダメ社長であるということを周りに知らしめているだけだ。会社の形を成してはいても、実態は会社ごっこだ。ベンチャー企業は往々にして平均年齢の低さをアピールして、若々しい会社だというイメージを出しているが、その裏を返せば、「年上は使えない」という小者社長の存在が隠されているのだ。

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