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親の謎「親の心、子知らず」(5/9) ~親の苦労とそのレベル~ [哲学]

 ほとんどの親は未熟だから、子育てには苦労して苦労して、失敗しては修正しての繰り返しだ。そんな苦労話は、廻りにいくらでも転がってるから、ネタには困らない。が、あくまでも他人事で聞きたい話だ。子供が怪我したとか、病気で大変だったなどという普通の苦労ならまだ微笑ましいが、犯罪手前まで行ったとか、鬱になったとかという厳しい苦労話となると、あまり聞きたくもないし、自分が当事者になることも極力避けたいはずだ。話を聞いたからといって、その苦労話はあくまで他人のケースであり、その通りに真似てやってもうまくいくことは少ない。子供の性格も違えば、陥る状況も違う。対処法はあくまでも自分で練らないとダメだからだ。他人の苦労話は、多少のヒントにはなるだろうが、そこから応用を施し試行錯誤して苦労してゆくのは、それに直面した自分だけだ。
 それはしょうがないことで、今世では親の経験は初めてだから「未熟な親」でしかないからだ。本当は、前世までの間に、何十回何百回と親を経験してきたはずなのだが、その記憶は全く残ってない。生まれ変わる度に、親は素人のままだ。そろそろプロの親でもいいんじゃないかとアニキは思うのだが、なぜか人間の創造主は前世の記憶を一切残さないように人間を誕生させる。そこには創造主の何らかの意図が働いているのだろうが、記憶がないものだから、いつも子育ては綱渡りだ。子育てだけじゃない、すべての記憶がないものだから、生まれ変わる度に一からやり直すハメになる。まずは、自分の事から人生を組み立てていかなければならず、その途上に子育てが加わるように人生が進んで行く。
 だから、親も自分の仕事や生活のことで頭がいっぱいだ。そんな状況だから、できる限りいらない苦労は経験しない方がいい。子供が落ち込んで精神が病んだり、グレて自暴自棄になって犯罪を起こしたら、もっと大変だ。それこそ苦労話なんてレベルではない。社会に迷惑かけることになり、個人だけの問題では済まなくなるから、親も必死になる。結局、子供が人生の方向を誤ると、全身全霊でケツふきをしなくてはならなくなるから、親はひとごとではなくなる。だから、神経をつかうのだ。よって、むちゃな夢は最初の段階で却下する。そんなメカニズムだ。

華やかな夢には子供の想定をはるかに超える苦労が存在する。だから、親は賛成しないというよりは、できないのだ。生半可な根性だけじゃやっていけないことを親は知っているからなのだ。
それは、夢を実現するために必要な能力は根性だけじゃないからだ。「根性ならだれにも負けない」なんて吹聴する奴はいっぱいいるが、それにプラスして大事な能力が要る。その力を自分の子供が持っていないことを知ってる。それは何かといえば、「頭のよさ」だ。勉強の出来不出来じゃない。そんなものは頭の良さとは言わない。頭の良さにはいろんな定義はあるだろうが、ここで必要な頭の良さとは、まず「要領の良さ」だ。
中学卒業ぐらいの若すぎる年齢では、こいつが足りていないのだ。特に、ぬるま湯のこの国ではと、付け加えておこう。


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