SSブログ

人間の原始機能「総論」(2/3) ~原始機能と本能~ [哲学]

 原始機能は人間だけの機能である。他の生き物には存在しない。ここにもうひとつの原始機能の謎がある。一見、原始機能はすべての生き物に備わっているように見える。しかし、他の生き物のそれは「本能」である。本能と原始機能は別物である。少しややこしいのだが、ここがしっくりこないと腑に落ちないだろうから、ここを説明しておこう。
 実は最近ある後輩からも、アニキ哲学の「原始機能」は、結局「本能」と同じじゃないかといわれた。確かに似ているように見えるのだが、全く異なる概念だと言っておこう。よく考えてほしい、本能と原始機能は同じじゃないことがわかる。どこが違うのかというと、備わっているその目的が異なっているのだ。本能の目的は「生きるため」、原始機能の目的は「成長・進化するため」に備わっている。ここを混同させてはならない。
 本能はあらゆる生き物に備わっていて、もちろん人間にも備わっている。しかし、原始機能は人間だけにしか備わっていない。人類と他の生き物とは、存在する意味が異なっているのだ。創造主は生き物すべてを作ったと考えられる。しかし、人間以外の生き物には「種の繁栄」のみが目的だ。創造主はサルに向かって、「成長しろ」なんて言ってない。生き抜くこと、すなわち「種の繁栄」のみだ。だから、そのために必要な機能のみ備えている。それが本能だ。一方、人間には「成長・進化しろ」と命令されている。そのために、成長・進化に必要な最低限の機能が備えられている。700万年前のホモサピエンスには、原始機能がセットされて地球という野に放たれたのだ。その結果が、今の世の中だ。創造主がこの進化を良しとしているのかどうかは別にして、人間以外の生き物がここまで進化していないことを考えると、人間にだけに備わっている機能と解すべきなのだ。生きるだけの機能である本能は、誰でも知っての通りお腹が減ると食べ物を探したり、交尾のやり方などだ。これは人間にも当然備わる。赤ちゃんは泣いて欲求を表現するのもそのひとつだ。
 では、人間にしかない原始機能とは、どんな機能なのだろうか。興味を持ってくれただろうか?詳しくは、この後の原始機能シリーズで様々な人間の原始機能を紹介してゆくつもりだが、代表的な原始機能をちょっとだけ紹介しておこう。アニキの過去ブログでもチョコチョコ登場したから、覚えてる人もいるかもしれないが、何と言っても「美人崇拝」だろう。男は美人が好きだ。これは男の原始機能で、「俺はそうじゃない」なんて、嘘ついてもダメだ。これは一見、本能に見えるのだが、人間以外の生き物で、美人崇拝を持ってる動物なんか存在しない。だから、これは本能ではなく、れっきとした原始機能だ。太古の昔から、男は美人が好きなのである。それと「欲」だ。食欲や性欲という生きるために必要な欲、すなわち本能のことではなく、もう少しレベルの高い欲だ。マズローの5段階欲求のうち、2段目以降が人間の原始機能であると考える。欲は原始機能であり、創造主がバリューセットに含めてくれているのだから、それを否定するのはナンセンスなのだ。無欲を目指したり、欲を捨てるなどというのは、アニキから見れば不可解なのだ。つまり、元々備わっている機能である欲を捨てるという考えこそが、欲なのだ。「無欲を目指したい」という欲であり、「欲を捨てたい」という欲だから、そんな修行は矛盾しているのである。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。